レーザー微細加工が注目されています。ここでは、ごくごく一般的な解説をいたします。
レーザー微細加工とは?(当社での定義)
レーザーを用いて、微小な領域を除去加工し、穴あけ、切断、彫刻、マーキング等を行うこと。寸法のイメージとしては、1mm以下程度。最小は数µm程度。 特殊なレーザー、技術を使うことで、微小領域でも正確に加工ができます。レーザーの熱で形状が崩れてしまうこともありません。
どんな材料を加工できる?
基本的にどんな材料でも加工できます。金属、セラミック・ガラス、樹脂。加工品質は、材料や使用するレーザー加工装置によります。加工依頼で多い材料は金属です。 加工対象材料や加工内容により使用するレーザーや装置を適切に使い分け、高品質なレーザー加工を実現します。
どんなレーザーを使うか?
波長は450nm~10.6µm、発振方式はCWもしくはパルス、出力~1kWのさまざまなレーザーを所持しており、用途に応じて使い分けています。 熱影響の少ない高品質の加工には、ナノ秒レーザーやピコ秒レーザーのような短パルス/超短パルスレーザーを用います。
レーザーが適している加工
機械加工でできない小さな加工が得意です。例えば、φ0.1mm以下の微細な穴やバリのないシャープな切断、寸法精度の厳しい溝やスリット加工が得意です。
また、加工対象材料が弱く容易に壊れるような部材に対してもレーザー加工は適しています。非接触で非常に弱い力で加工しますので、対象材料に無理な力が加わりません。
一方で、刃物で加工しにくい材料に対しても有効です。例えば、タングステンのような硬い材料に対しては、機械加工で問題となる工具の摩耗・損傷がレーザーでは発生しないために、経済的です。
レーザーでできる加工
- 穴あけ
- 切断
- 溝・スリット加工
- マーキング
- 内部改質(光学的に透明な物質)
- 溶接
レーザー穴加工の特徴
・穴はテーパーになる。入射側が大きく、出射側が小さい。 (特殊な光学系をつかうとテーパーを制御できる)
・止め孔加工の場合、アスペクト比が(入射穴径):(穴深さ)=1:4~1:6 程度となる
レーザーのメリット
- 非接触加工のため、加工対象に無理な力が加わらない。工具の摩耗がない
- レーザーは、数µm程度まで小さく絞ることができるため、微細な加工ができる。
- 高速な加工。ガルバノスキャナで高速にレーザーを走査できる。
- 同じレーザーでもパラメータを変えることで、加工結果を大きく変えることができる。
レーザーの制限
- 熱の影響が出る場合がある。ドロスや変色など熱により材料が変化する場合がある。
- 初期コストが高い。レーザー加工機は、安くはないので、導入するときにはコストメリットが見込まれる必要がある。一方、消耗品が少ないのでランニングコストは高くない。
- レーザーパラメータの設定が難しい。高精度な加工をするためには、試行錯誤を繰り返しパラメータを設定する必要がある。
- 機械加工に比べて精度が悪い。機械加工のように工具の形状転写ではなく、いわゆるエッチング加工なので、精度がでにくい。