今回は、ベッセルビームをつかって、微細穴を加工するこちらの技術です。
Direct micro-structuring of Si(111) surfaces through nanosecond-laser Bessel beams
Erkan Demirci, Elif Turkan Aksit Kaya, Ramazan Sahin
Comments: 6 pages, 7 figures
Subjects: Applied Physics (physics.app-ph); Optics (physics.optics)
[Submitted on 20 Jun 2019]
https://doi.org/10.48550/arXiv.1906.09193
概要
- ベッセルビーム加工を理論的、実験的に解析
- Qスイッチ-ナノ秒レーザー NL230, 1064nm(Nd:YAG), 5.5ns, 5-90mJを使用
- アキシコンレンズは、溶融石英、角度1°と20°の2種類
- Si (111) , 3-inch, t=508±15µmに照射実験
- ベッセルビームを直接CCDカメラにて観察
- 加工結果は、SEM観察
- パルスエネルギー、照射回数を変化させて、加工穴径と穴深さを評価
結論
- ベッセルビームの強度分布は、理論と実際とがよく一致している
- 穴加工深さは、照射回数が多い方が深い
- ガウスビームでの加工より、ベッセルビーム加工の方がHAZの影響は小さい
- パルスエネルギーを大きくすると、穴径も大きくなる
- 照射回数を大きくすると加工深さは深くなる
- 照射回数を大きくすると穴加工径は大きくなるが、一定のところで増加しなくなる
所感
- 今回のセットアップでは、Siウエハの貫通穴加工はできていない。やはり、厚手のサンプルでは難しいのか。
- ベッセルビームは、中心(0次光加工分)以外のエンベロープの影響で同心円状の加工痕ができるが、今回の結果では、見られない場合もある
- ベッセルビームでの加工は、極微細穴(φ数µm程度)を期待できるが、この結果は、かなり大きい。この程度では、ガウスビームでも加工できる。