今回は、ナノ秒レーザーでPMMAへマイクロ流路を作成する基礎研究を行ったこの論文です。
June 2012
Conference: 40th North American Manufacturing Research ConferenceAt: University of Notre Dame, Indiana.
Authors:
Daniel Teixidor: Universitat de Girona,
Joaquim Ciurana: Universitat de Girona,
Thanongsak Thepsonthi: Burapha University,
Tuğrul Özel: Rutgers, The State University of New Jersey
概要
- 基本波ナノ秒レーザーで、PMMAへマイクロ流路形成の基礎研究
- ナノ秒レーザーは、Nd:YAG, 1064nm, 4.15W, Q-switch, 5-11Hz, 5-7ns
- パワー調整(オンラインモニタリング)ができる光学実験系。XYZステージ走査。
- 8.3mm長さの1パス加工
- 加工結果は、光学顕微鏡での観察
- 評価は、溝幅、溝深さ、材料除去率(MRR)、加工品質
- 変更条件は、Q-switch(パワー)、周波数、走査速度、焦点深さ
結論
- バラつきがある等の課題はあるが、ns-laserでもPMMAへのマイクロ流路形成は可能
- 波長とフルエンスが最も加工結果に影響がある
- 走査速度が溝幅、溝深さに比例して効いているが、反対にMRRと品質の低下も招く
所感
- 著者自身も言及しているが、近赤外のns-laserは、金属やセラミックへの微細加工に対して有効で、樹脂の加工に対しては、吸収率の低さや化学反応が期待できないので、あまり有効ではない。
- また、バルジやHAZの影響を考えるとps-laserやfs-laserの方が有利である。
- それでも、トータルの導入コストや生産性を考えたとき、場合によっては、ns-laserは選択肢となりうる。