【加工】光学レンズのコーティング

概要

レーザー機器では、ミラーやレンズを使って、光の光路を変更したり、光を絞ることがあります。光がレンズを通るとき、その入射面)と射出面で屈折率の違いから光の一部が反射します。このため透過光量が減少します。このような損失があると、目的のところまでレーザーが照射できなかったり、所望の出力が得られないという問題が生じます。このような反射による光量の減少を避けるために、レンズの透過面に反射防止コート処理を行います。

構成

コーティングと透過率

コーティングは、通常、レンズの表面と裏面に施します。
この膜が単一の層であるものを単層コーティング、複数の膜で形成されているものを多層膜コーティングと呼びます。
多層膜コーティングには、単層で除去できない反射光を何層ものコーティングによって減少させ、透過率を上げる狙いがあります。
レーザー機器では、一般的に複数枚のレンズを使用します。レンズが多くなると、透過時の損失差は指数関数的に大きくなっていくので、わずかな透過率の差が重要となります。

フレアとゴースト

レンズ部分の迷光に関して、フレアとゴーストという現象があります。
フレアとは、レンズ後方からの光がレンズ前方に映り込んでしまうことです。
ゴーストとは、レンズの裏面で反射した光がレンズ表面で再反射してしまう現象です。
レンズのコーティングが十分に性能を発揮できず、光の反射率が大きいとこれらの現象が発生しやすくなります。

コーティングの仕方

コーティングは、レンズの製造工程の一番最後に行われます。つまり、研削、研磨、洗浄後にコーティングされるのです。
コーティングは、レンズに様々な化学物質の層を作る事により実現します。この化学物質の割合や組み合わせにより様々な色合いを持ちます。
一般的に、蒸着と言って、化学物質を気化させてレンズに付着させる方法がとられます。

参照

レンズへのコーティング
レンズのコーティング

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