今回は、ナノ秒レーザーを使って精密加工を行った、この論文を見てみます。
Micromachining of cold-worked tool steel by nanosecond laser
P Šugár1, B Ludrovcová2, J Šugárová3 and M Frnčík2
Published under licence by IOP Publishing Ltd
IOP Conference Series: Materials Science and Engineering, Volume 448, XXIII International Conference on Manufacturing (Manufacturing 2018)7–8 June 2018, Kecskemét, Hungary Citation P Šugár et al 2018 IOP Conf. Ser.: Mater. Sci. Eng. 448 012019
- レーザー条件を変化させて、加工効率や表面性状がどのように変化するか調査した論文。
- 工具鋼 ( 62SiMnCr4 ) に対して、ナノ秒レーザー(Ybファイバーレーザー, 100W, 1064nm, 120ns, 80kHz)にて加工
- レーザースポットのオーバーラップに注目:縦方向と横方向で率を変化
- 材料除去率(MRR)と表面粗さを評価
- 加工条件:Laser pulse intensity (PI), Lateral overlap distance (DL), Transverse overlap distance (DT)
結論
- 高パルスエネルギーでは、材料除去率は高いが、表面粗さは悪くなる。(熱蓄積のため)
- オーバーラップ率が低いとMRRは低下。表面粗さも低下
- 縦方向のオーバーラップはMRRにあまり影響せず
所感
- 内容自体は、至極当たり前のことだと思われる
- しかし、レーザー加工において、加工材料や仕様により条件出しは非常に難しく、労力を要する。この材料での結果という意味では、具体的な数値が参考となり、条件出しの助けとなる可能性がある。
- 最近は、超短パルスレーザーばかりに注目があつまるが、このようにナノ秒レーザーも十分に検討に値すると思われる。