【加工】光学レンズ

概要

レーザーなど光を曲げたり、拡大・縮小したりするには、レンズを用います。

その中で光学レンズとは、レーザー機器をはじめ、カメラ、顕微鏡、望遠鏡など光を扱う光学機器、装置などに使用されるレンズのことです。 屈折率、分散率などの物理特性の異なる光学ガラスの組み合わせと、球面曲率など形状特性の違うレンズの組み合わせで構成されることもあります。

窓ガラスや理化学実験で用いられるガラスと異なり、特異な性質をもつものもあります。

特徴

一般的に、光学系のレンズに使われる光学ガラスは、内部の屈折率が均一で光の吸収が少ない特別な材料(ガラス)が使われます。

光学レンズは、その表面で光線を屈折させ、像を作ったり方向を変化させたりします。そのため、光が進むレンズの内部では光線が直進することが求められます。一方で、窓ガラスに用いられるガラスでは、屈折率が一様でなかったり(脈理)、不純物が混入していたりと、この性質を満たすことができないので、光学レンズとしては、使用できません。これは、主に製造工程に起因します。また、材料そのものに起因する場合もあります。

例えば、代表的で広く使われている光学レンズの材料のBK-7では、内部の屈折率は ±0.000005 と非常にわずかなバラつきとなっています。

また、光学ガラスは、高い透明性にも特徴があります。

例えば、窓ガラス(青板ガラス)では、見る方向によって色がことなります。正面からでは透明ですが、角度をつけてみると色がついて見えます。これは、方向によって光の吸収度合いが異なるためです。このような現象があると、光学機器としては利用できない場合が多いです。方向によらず、一様な透明性が求められます。

例えば、100mm厚のBK-7では、1.6%程度で、多くの光学機器に用いられています。

さらに、光学ガラスには、色についても一様な特性が求められる場合があります。レーザーのように単一波長では問題になりにくい場合もありますが、幅広い波長の光を扱う場合、一様の透明性である必要があります。

以上のように、光学ガラスには、通常のガラスより厳しい要求仕様があります。

歴史

レンズの歴史をみてみますと、つねに新しいガラス材料の発見の連続といえます。

何か新しい材料を開発するというよりかは、発見された材料組成をうまく組み合わせるなどして、光学ガラスに転用してきました。

例えば、既存のガラスは、石英ガラスに近い光学特性をもつ石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラスと、少し性質の異なる光学特性を持つ鉛ガラスに分けられます。

実用性や価格等を考慮して、ホウケイ酸ガラスが代表的な光学ガラスとして使われるようになってきました。

そのうち、鉛ガラスの発展形のフリントガラスが利用され始めました。この材料は、屈折率は高く、波長依存性を示すアッベ数が低いという特長があり、広く普及しています。

参照

レンズの材料について |
光学ガラスの歴史 (1)
光学レンズとは

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