【加工】fΘレンズ

概要

レーザー関連で使用するレンズにfΘ(エフ・シータ)レンズがあります。
これは、ガルバノスキャナーやポリゴンスキャナー等で走査したレーザビームを集光させるためのレンズです。

特徴

レンズを工夫して、走査エリア全面で走査速度が一定になるように設計されています。

球面レンズでは、レンズ中心部と周辺部で走査速度が異なります。fΘレンズでは、レンズ面の曲率をかえることで、レンズ周辺部と中心部で走査速度が一定になっています。
一般のレンズの場合、走査するレーザービームが角度θでレンズに入射するとき、その位置はY=f・tanθとなります。しかし、fθレンズの場合、Y=f・θとなります。Θが小さい場合は両者の差は小さいですが、大きくなるとその差が大きくなります。このようにfΘレンズは、レンズへの入射角、比較的Θが大きくなっても単純に角度に比例したスポット位置(速度)を得ることができます。

ワーキングディスタンスにより、絞れるレーザースポットが異なります。ワーキングディスタンスが小さいほど、スポットは小さくなります。しかし、走査範囲は狭くなります。

種類

テレセントリックレンズ

出射されるレーザーが材料に対して垂直に照射されるタイプのレンズです。走査エリア全面で均一の角度、スポット径が得られるため、高精度な加工を行うことができます。

しかし、加工範囲が限定されるという欠点があります。

非テレセントリックレンズ

出射されるレーザーが材料に垂直に照射されず、走査エリアの周囲に近づくほど角度が大きくなるタイプのレンズです。走査位置により角度が異なるため、高精度な加工はできません。

しかし、走査範囲がテレセントリックレンズより広いです。

また、入射角度が異なることを逆に利用した加工方法もあります。

用途

用途としては、材料の溶接、切断、プリント配線基板の高速穴あけや、電子部品のマーキングなどがあります。

また、この技術が使われる共焦点顕微鏡は、医療、バイオテクノロジーなどにも使われます。

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